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 印刷 2019年04月12日デイリー版1面

海上混載業界/「ドレージチャージ」浸透。トラックコスト増に対応

 海上混載(LCL)業界でトラックコスト高騰に対応するための新課徴金「ドレージ(横持ち)チャージ」の導入が拡大している。3月上旬から海上混載大手・中堅業者が順次導入。輸出入ともに課徴額は1RT(レベニュートン)当たり500-800円が主流で、同1000円という金額設定もみられる。「満額受け入ればかりではないが、チャージそのものについてはほぼ全ての顧客にご理解いただけた」(大手混載業者)という声もあり、導入1カ月強で業界に浸透したようだ。

 新チャージは「ドレージリカバリーサーチャージ」(DRS)、「エクストラドレージチャージ」、「CFSアディショナル」など各社さまざま。

 セイノーロジックスや内外トランスライン、トランスコンテナなど日系・外資問わず大手NVOCC(海上利用運送事業者)が3月上旬から中旬にかけて導入を発表した。中小業者も4月に入ってからこの動きに追随している。

 ある大手混載業者は「2018年は物量が伸びたにもかかわらず、大幅減益となった。(昨年9月の)台風21号など天災被害への対応コストがかさんだのは確かだが、CFS(コンテナフレートステーション)業者への下払いコスト増加も大きい」と語る。

 輸出混載の場合、通常は荷主がCFSに貨物を搬入。

 CFSでバンニング(詰め込み)後、CFS業者の手配でコンテナヤード(CY)に横持ちをかける。CFS業者はCFS作業料にドレージコストなど付帯サービスも加えた料金を、混載業者に請求する。トラックコスト上昇などを背景に、CFS業者は昨年来、混載業者に対して値上げを要請している。

 昨今のドライバー不足に加え、東京港を代表とした港湾混雑から、いわゆるドレージを敬遠するトラック業者は多い。

 特にCY-CFS間など輸送距離の短い「ショートドレージ」は回転率、実入りが悪く、供給が逼迫(ひっぱく)している。

 倉庫業も人手不足に悩んでおり、マテハン(荷役機器)導入などで効率化を進めているが、多種多様な貨物が持ち込まれるCFSは自動化になじみにくい。人手に頼らざるを得ず、倉庫業としては採算性が高くないCFS事業から撤退する企業も増えている。

 ドレージ手配を含めたCFSのコストは今後も上昇が続くことが予想される。

 混載業者は経営の安定化、事業継続のために、DRSなど新チャージ導入に踏み切ったようだ。1RT当たり3980円が業界慣習だったCFSチャージについても見直しの動きが出ている。

 入札案件など長期契約荷主については、期中の新チャージ導入を認めないケースもある。海上混載各社は「事業の継続性に関わる」として、粘り強く新チャージへの理解を求めていく方針だ。