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 印刷 2019年04月11日デイリー版2面

招商蛇口/合弁でクルーズ船社設立。米系企業と覚書調印

 中国国有のチャイナ・マーチャンツ・グループ(招商局集団)傘下の招商蛇口と米バイキングクルーズは9日、中国市場を主な集客対象としたクルーズ船社立ち上げなどの諸事業を共同展開する覚書に調印した。今後は調整局面にあるといわれる中国のクルーズ市場開拓に向けて営業面の提携関係を強化するほか、合弁で運航船社を設立し、中国発着のアジア周遊だけでなく世界規模の配船を視野に入れるという。これらの事業がスタートすれば、日本への寄港も増える可能性がある。

 両社合弁によるクルーズ船社設立など、今回の覚書調印について招商局集団は、「バイキング社と共同事業が展開できることを大変光栄に思う。運航船社に加えて関連インフラ整備などを事業の中核とし、中国国内のクルーズ市場開拓を進めたい。将来的には両社のシナジーを発揮することで、中国国内のマーケットリーダーになることを目指したい」などと展望する。

 またバイキングクルーズのトルステイン・ハーゲン会長は、「中国の海外旅行市場は現在もダイナミックな成長を続けている。両社でクルーズ産業を盛り立てていくことは、中国の旅行産業振興やライフスタイルの多様化にも資する。当社が20年以上培ってきたクルーズ船の建造や運航ノウハウは、これから両社で取り組む安全で快適なクルーズの旅の提供に大いに役立つものと考える」とコメントした。

 招商局集団は、裾野が広いクルーズ産業の取り込みに数年前から関心を寄せてきた。

 具体的な取り組みの第1弾は、2015年1月に調印した米カーニバルコーポレーション&PLCとの合弁事業に関する覚書。この中で両社は、外航クルーズ船を所有・運航する企業の立ち上げと、クルーズ関連の港湾インフラや新たな寄港地開発などを共同で展開するとしている。

 また招商局集団は16年、傘下のチャイナ・マーチャンツ・インダストリーズ・ホールディングス(CMIH)が、米系企業から複数隻の8000総トン級の小型探検船建造を受注している。

 このほかのクルーズ関連では、最高級のクルーズ船を運航するシルバーシークルーズの船を17年前半に3カ月余りチャーター。中国国内の富裕層向けに新たな旅行商品として販売するなど、クルーズ市場の掘り起こしにも力を入れている。

 一方、欧州などのリバークルーズを主力に事業展開してきたバイキングは、03年に中国・長江でも運航を開始。また15年夏のシーズンから4万総トン級の新造船で外航クルーズに新規参入した。その後も積極的なフリート拡充戦略を掲げ、姉妹船となる新造船の発注残は27年までに計11隻に達するなど、「世界で最も成長が期待される船社の一つ」といわれる。