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 印刷 2019年04月11日デイリー版1面

中古バルカー/売買急増、3月44隻。オペ放出、ギリシャ勢購入

 バルカーの中古船売買が増加している。英国の船価鑑定大手ベッセルズバリュー(VV)によると、3月の売買実績は44隻と前年同月比3割増加。資機材価格の上昇や環境規制を背景に新造船価格が高止まりする中、ギリシャ船主や中国船主が割安な中古船への投資を活発化しつつある。売却側は主に自社船を持つオペレーター(運航船社)で、用船マーケット低迷を受け収益環境。自社船処分による手元資金の確保の狙いもあるようだ。

 「新造船価と用船マーケットのミスマッチが大きく、長期の貨物契約なしでの新造発注は考えにくい。このままの状況が続くとしたら、これまで手掛けてこなかった中古船にも目を向ける必要があるかもしれない」

 邦船大手のドライバルク担当役員は、中古船の割安感を踏まえてそう語る。

 3月のバルカー売買の内訳は、ポストパナマックス1隻、パナマックス17隻、スープラマックス14隻、ハンディサイズ12隻。

 中古船価はスポット用船市況の低迷を背景に、特に高齢船が軟調に推移している。

 英クラークソン統計によると、5日時点で船齢10年の中古船価はパナマックス1400万ドル、ハンディマックス1350万ドルとそれぞれ年初比50万-100万ドル安に軟化。

 一方、新造船価はパナマックス2800万ドル、ハンディマックス2600万ドルと年初比横ばいで推移し、船齢10年の中古船価との値差はパナマックス2倍、ハンディマックス1・9倍に開いている。

 昨年春時点のパナマックスの新造船価は2650万ドルで、船齢10年の中古船価との値差は1・6倍だった。

 ギリシャ船主をはじめとする海外船主は、新造船と中古船の価格を比較し、割安な方に投資の重点をシフトする。

 マーケットの一つの目安として、ギリシャ船主は船齢10年の中古船価が新造船の半値になると、中古船購入に動くとの見方がある。

 特に、今後の新造船に適用されるNOX(窒素酸化物)3次規制は「ユーザーとしては経済的なメリットがないのに、建造コストが数億円上昇する」(邦船社)ことから、現時点では発注に二の足を踏む海運会社が多い。