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 印刷 2019年03月28日デイリー版5面

神戸港クルーズ特集】過去最多、18年は141回/バス待機場を順次拡充

新年度はハード整備に加え、寄港地観光の充実やクルーズ人口拡大も目指す
新年度はハード整備に加え、寄港地観光の充実やクルーズ人口拡大も目指す
神戸港発着に就航中の「ダイヤモンド」
神戸港発着に就航中の「ダイヤモンド」

 国内外のさまざまなクルーズ船が来航する神戸港。2018年の国土交通省の集計では全国で6番目に多い寄港実績を誇る一方、瀬戸内海クルーズの推進役としても存在感を高めている。世界最大級(22万総トン)のクルーズ船を受け入れるための環境整備が昨年夏に完了し、新年度は乗船客の一層の利便性向上を目指したソフトの拡充も計画する。神戸市がこれから推進しようとするクルーズ振興や客船誘致の取り組みなどをまとめた。

 国内外のクルーズ船社の配船戦略を分析し、そのニーズに合わせて着実にハード・ソフトの拡充を進めてきた神戸港。2018年度もそうした流れを踏襲し、昨年6月には22万総トン級が着岸できる岸壁整備が完了。神戸港の真価が問われる新年度が目前に迫った。

 18年のクルーズ船寄港数は141回(日本籍船74回、外国籍船67回)。阪神・淡路大震災(1995年)の前年に記録した130回を上回り、過去最多となった。年間寄港数100回を超える港湾は中国発着の大型クルーズ船の受け入れがその多くを占めるが、神戸港は日本船社をメインに実に多彩な船社のフリートが来航する。発着クルーズでの利用も多く、またカジュアル系よりもプレミアムやラグジュアリーなサービスを提供する船社が多いことも、他港にはない特長だ。

 続く19年は、3月半ばの集計で前年と同程度の寄港が見込まれている。日本籍の3隻が季節に応じて頻繁に顔を見せるほか、外国籍船の発着クルーズでは、日本近海周遊に就航中の「ダイヤモンドプリンセス」と「コスタネオロマンチカ」が引き続き来航。また大手旅行業者がチャーターした「サンプリンセス」の世界一周も、神戸港発着(4月12日から)を盛り込んでいる。

 初寄港は、ラグジュアリー船が独ハパックロイドの「オイローパ2」、プレミアム船では米ホーランドアメリカラインの「ウエステルダム」、カジュアル船は米ロイヤルカリビアンインターナショナル(RCI)の新造船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」がやって来る。

 一方、新年度に計画している神戸市のクルーズ振興策は、受け入れ環境の整備▽寄港地観光の充実▽クルーズ人口の拡大-が3本柱。

 受け入れ環境の整備では、近年大型化するクルーズ船の乗船客を待たせることなく寄港地観光に送り出すため、観光バスの待機場を順次拡充する。新港突堤西地区ヤードの整備が中心で、完成後には約160台を収容できるようになる。

 寄港地観光の充実は、モデルプログラムの提供をはじめ、神戸市内の観光施設を利用する旅行業者に対する兵庫県との共同支援(神戸港観光バス助成)、中心市街地とターミナルを結ぶシャトルバスの充実などがある。

 また発着利用が多い神戸港らしい「クルーズ人口の拡大」では、フライ・アンド・クルーズの推進と、域内6港による連携で展開中の「せとうちクルーズ」の振興がある。助成制度を利用した参加しやすいクルーズ旅行の造成、瀬戸内の魅力を積極的に発信することによる乗船客の拡大など、引き続き関西圏を中心とした市場掘り起こしを地道に展開していく。