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 印刷 2019年03月25日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】富士通研究所/高感度赤外線カメラ、小型化へ。自動運航船見据え開発

 富士通研究所(本社・川崎市、古田英範社長)は自動運航船の実現を見据え、高感度赤外線カメラを小型化する技術を開発した。船の全周囲に設置したカメラと、AI(人工知能)による画像処理技術と組み合わせることで、他の船舶やブイといった障害物を正確に把握して事故を回避する。2019年度から海上での実証実験を行い、20年からのサービス実用化を目指す。

 高感度赤外線カメラは、昼夜問わず約11キロメートル先の海上を高精細に撮影することができるため、船舶航行の安全性を高める技術として期待されている。一方で、赤外線を吸収する受光部センサーが熱に弱く、冷却装置を搭載する必要があるためカメラが大型化し、船上の使用には適さなかった。

 富士通研究所では受光部センサーの半導体構造を見直し、受光部センサーの動作温度を緩和させることに成功。カメラ全体のサイズを、従来に比べて8分の1に小型化することが可能となった。

 同社が富士通のAI技術(深層学習アルゴリズム)を用いて行った実験では、5キロメートル先の船舶の識別率がほぼ100%、11キロメートル先でも誤検知や見落としが極めて少ないという結果が出ている。

 高感度赤外線カメラを使用した遠方・全周監視システムは、外航船での使用を想定している。船首側には望遠用のカメラを設置し、針路上を横切る可能性がある船舶を把握。側面と後方は広角用のカメラを設置し、レジャーボートや流木といった近距離の障害物に対応する。

 今後は、実際にカメラを航行している船舶に搭載し、監視システムなどの実用化に向けた検討を進めていく。