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 印刷 2019年02月25日デイリー版4面

MariTech 海事未来図】ブロックチェーン技術/コンテナ物流で活用進展。PILなど書類電子化

 コンテナ物流分野でブロックチェーン(分散型台帳)技術の活用が進んでいる。シンガポール船社PILはこのほど、米IT大手IBMのブロックチェーン技術を基に、船荷証券(BL)の電子化実験を実施した。香港物流大手ケリーロジスティクスは、デロイトトーマツコンサルティング、海運ポータルサイト運営のカーゴスマートと連携し、ブロックチェーン技術を活用した船積み書類の電子化を図った。

 PILは、春節(旧正月)で消費されるマンダリンオレンジの輸送で電子BL(eBL)を取り扱った。荷主はシンガポールの大手輸入業者HUPCOで、マンダリンオレンジ約3000が対象。BLは有価証券の性質も有し、貿易書類の中でも最も電子化の難しい書類だが、ブロックチェーン技術で電子的な書類交換の安全性を確保し、書類処理の時間を大幅に短縮する。

 果物、生鮮品を取り扱う輸入者にとって、迅速な書類手続きは商品の鮮度維持に直結するため、極めて重要。HUPCOでは今回の実験で迅速なBL受け取りが可能になっただけなく、電子化により入力ミスや書類偽造のリスクも低減したとしている。また、オペレーションコストや港湾での保管料などコスト削減、機材回転率の向上などのメリットを確認した。

 PILは正確で迅速なeBL管理のため、関係者を巻き込んだエコシステム形成に取り組んでいる。先ごろ、シンガポール発ブルネイ向けの輸送で、中国銀行シンガポール支店などと協力し、譲渡性のあるeBLの実験を行った。PILではLC(信用状)、LG(保証状)の電子化でも、このエコシステムが活用できるとみている。

 一方、ケリーロジは昨年12月、POCと呼ばれる実証実験を実施。フォワーダーと船社間の書類交換を電子化し、海運業の業務効率化を図った。参加企業が貿易金融分野で利用する複数のブロックチェーン・クラウドネットワークを接続し、相互運用するのが狙いだ。

 同社のウィルソン・リーIT担当ダイレクターは「デロイト、カーゴスマートとのPOCは新たなデジタル時代の課題を定義するものだ。ルール策定に関与した企業が次世代のリーダーになる」として、今後も積極的にブロックチェーン活用に取り組む姿勢を示した。