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人材特集2020
 印刷 2019年02月19日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】ABB/アイスランド初、バッテリー駆動フェリー。発電・蓄電システム採用

アイスランド初のバッテリー駆動フェリー
アイスランド初のバッテリー駆動フェリー

 欧州電気システム大手のABB(スイス)はこのほど、アイスランド初のバッテリー駆動フェリーに同社の発電・蓄電システムを提供した。船内に3000キロワットの大容量バッテリーパックを搭載することで陸上設備を使用した急速充電に対応し、完全に電気の力だけでの航行を実現する。

 同船はアイスランド道路・沿岸管理局が発注し、ノルウェーのPolarkonsultが設計した。全長は70メートルで、最大550人の乗客と75台の車両を載せることが可能。現在、ポーランドのCrist SA造船所で建造が行われており、2019年後半の引き渡しを予定している。

 就航後は、アイスランド本土とヴェストマン諸島間片道13キロメートルを所要時間45分で結ぶ。年間の航海数は3600回を想定している。

 採用されたABBの配電システムOnboard DC Gridは、バッテリーを直接DCリンクに接続することで充放電中の電力損失を回避し、高効率の運航を可能にする。さらにディーゼルエンジン使用時の可変速運転にも対応しており、燃料消費の削減にも貢献する。バッテリーの充電時間は30分ほどで、必要なインフラもABBが整備する。

 このほかABBは、発電機、変圧器、配電盤、電力およびエネルギー管理システム(PEMS)、エネルギー貯蔵制御システム(ESCS)といった各種ソリューションをパッケージで提供する。フェリーはABBアビリティ・コラボレーティブ・センター・インフラストラクチャに接続されており、リモート機器の監視とデータ分析を通じて、遠隔でのテクニカルサポートや予防保全に対応する。

 アイスランド政府は40年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を打ち出しており、CO2(二酸化炭素)排出量を削減するため、電気を使用した輸送手段の整備に力を入れている。

 バッテリー駆動船は日本でも開発が進められている。10年7月には東京海洋大が開発した旅客定員10人の「らいちょうI」が竣工。12年10月にはツネイシクラフト&ファシリティーズが旅客定員40人の「あまのかわ」を完成させている。

 18年には大島造船が建造船命名式などでの顧客送迎用として、バッテリー駆動船「e-Oshima」を開発したことを発表。今年に入ると、旭タンカーとエクセノヤマミズが、リチウムイオン電池を動力源とするゼロエミッション電気推進内航タンカー「e5」(イーファイブ)のコンセプトデザイン完成を明らかにした。

 ノルウェーでは18年8月に肥料大手ヤラ・インターナショナルが、VARDに世界初の自律運航技術とバッテリー駆動システムを採用する120TEU型コンテナ船「ヤラ・ビルケランド」を発注するなど、各国でゼロエミッション船の実用化に向けた取り組みが加速している。