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 印刷 2019年02月12日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】海洋立国懇セミナー/インマルサット長谷氏。「自律運航、高速通信必須」。業界超えた連携訴える

講演する長谷氏
講演する長谷氏

 移動体衛星通信サービス大手の英インマルサットの長谷良裕技術顧問は8日、東京都内で開かれた海洋立国懇話会主催のオープンセミナーで講演し、「自律運航の実現には毎秒数メガビット-数十メガビットの地上系並みのブロードバンド通信環境が必須」と語った上で、「海運と衛星通信事業者が投資などで連携することが重要」と訴えた。

 長谷氏は「現状の船舶の通信環境は甚だ貧弱」と指摘し、「改善には衛星通信事業者による大型投資が必要になり、その前提として海事IoT(モノのインターネット化)による大幅な需要が必要」と説明した。

 さらに、商船1隻当たりの通信コストが月25万円程度かかっている現状を踏まえ、4000隻の通信コストを合わせると、衛星の製造・打ち上げ・運用コストと同程度となることから「海運業界が独自の衛星通信システムを持つ可能性もあるのではないか」と述べた。

 インマルサットは現在、2005年稼働の第4世代衛星による「Lバンド」(1・5ギガ-1・6ギガヘルツ帯)、15年稼働の第5世代衛星による「Kaバンド」(20ギガ-30ギガヘルツ帯)の2周波数帯の通信サービスを提供中。

 高周波数のKaバンドは通信速度に優れる半面、雨天での通信の不安定さが課題。一方、低周波数のLバンドは通信速度は低いものの、悪天候時の安定性に優れる。

 インマルサットは16年からKaバンドとLバンドを組み合わせた海事専用サービス「フリートエクスプレス」(FX)を開始。定額課金制でKaバンドによる下り(衛星から端末)毎秒最大50メガビット、上り(端末から衛星)同5メガビットの高速通信を提供した上で、悪天候時には自動的にLバンドに切り替わり安定性を確保する。

 一方、陸海空共通のKaバンド単独サービス「グローバル・エクスプレス」(GX)も提供しており、天候の影響が少ない航空機で採用が広がっている。