印刷 2019年01月23日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】自動運航/技術開発、日本でも活発化。各社、電池駆動船計画

大島造船所の「e-Oshima」(バッテリー駆動船のイメージ図=同社提供)
大島造船所の「e-Oshima」(バッテリー駆動船のイメージ図=同社提供)

 自動運航につながる技術開発が日本でも活発化している。大島造船所は昨年、建造船命名式などでの顧客送迎用として、バッテリー駆動船を開発したことを発表。同船には自動操船システムを搭載する。今年に入ると、旭タンカーとエクセノヤマミズが、リチウムイオン電池を動力源とするゼロエミッション電気推進内航タンカーのコンセプトデザイン完成を明らかにした。自動運航も想定しているとみられる。ヤンマーも先ごろ、「ロボティックボート」を開発したことを公表した。日本では国を含めて海事クラスター全体で取り組みを推進し、欧州が先行する自動運航分野で巻き返しを図る。

 電池駆動船では、東京海洋大学が開発した旅客定員10人の「らいちょうI」が2010年7月に竣工しているほか、ツネイシクラフト&ファシリティーズが12年10月、旅客定員40人の「あまのかわ」を完成させるなど日本でも実績がある。ここにきてより大型船で、さらには貨物船(タンカー)の計画も出始めた。

 大島造船所のバッテリー駆動船「e-Oshima」は、50人程度の人員輸送を想定。車両・バスも積載可能とする。バッテリー容量は約600キロワット時。当初は有人の操船とするものの、自動操船システム搭載で無人化を目指す。現在、同船は大島工場(長崎県西海市)で建造が進む。自動操船システムは、MHIマリンエンジニアリングと共同開発する。計画航路保持や自動船速制御機能のほか、衝突・座礁事故などを未然に防ぐ機能、離着桟支援機能なども持たせる。

 旭タンカーとエクセノヤマミズのゼロエミッション電気推進内航タンカーは「e5」(イーファイブ)。船型は499総トン型で、東京湾内を運航する燃料供給船全船を対象に商用モデルを開発し、将来的により長い航続距離の沿岸船への適用も見込む。第1船の竣工は20年末を目標とする。

 船の基幹エネルギーシステムを完全電化し、CO2(二酸化炭素)など各種エミッションを削減。自動化設備やデジタルツールを導入し、乗組員の負担軽減と運航効率向上を実現する。

 このほか、ヤンマーは17日、自動航行する「ロボティックボート」の基礎技術と、自動着桟システムを開発したことを発表した。危険海域での調査やスマート漁業などでの活用を想定する。動力源はディーゼル発電機とリチウムイオン電池を併用する。