日本海事新聞 AdオンNet The Japan Maritime Daily
完全定額の次世代高速ブロードバンドサービス
船内環境の充実で高スキルの船員獲得に貢献 ~導入事例の紹介~
Fleet Xpress (フリート・エクスプレス) 2017/09/27 12:00 日本海事新聞 AdオンNet

[導入事例その1] 太洋日本汽船株式会社

太洋日本汽船株式会社(代表取締役社長=有坂俊一)は、川崎汽船グループの中核企業として自動車運搬専用船等RORO貨物船を中心に、ばら積み船、コンテナ船などの「船舶管理」を行っているほか、保有する船舶を貸し渡す「船舶貸渡」業も手掛けています。同社の主力事業である「自動車船」への船員の配乗船業務や高度な船舶管理を実現する企業として、優れた運航・管理技術を活かす同社が、高度な衛星通信サービス「Fleet Xpress」の導入を始めています。船内の通信環境の整備が、同社の管理船の安全運航および高スキルの乗組員確保にどのように役立っているか、お話を伺いました。

― 御社では、一度に約7500台の自動車や鉄道車両も運搬可能な大型の「DRIVE GREEN HIGHWAY」など優秀船を多く管理していますが、その管理の質の維持や安全管理などの秘訣についてお聞かせください。

情報システムグループ長代理 井上靖彦氏(右)
船員グループ船員チーム チーム長 福田裕司氏 (左)

弊社は業界における自動車運搬船のパイオニアとして、世界ナンバー1となることを目指しています。その実現のためには「安全運航・管理」が根底にあり、弊社にとってはそれが最重要課題であり最大のポリシーでもあります。そして、もちろん一流の仕事をしなければそれは実現できないものと思っています。弊社の乗組員の多くが自動車船に乗り組む外国人船員で構成されています。本社の神戸以外にも千葉の幕張に、またフィリピンやブルガリアなどの海外にも事務所があり、外国人船員乗組員の確保育成事業に注力していますが、技術指導のほか、長い航海を支えるためのきめ細やかなケアが必要と考えています。そのため、「船内での食事」や(コミュニケーションのための)「乗組員向けの通信」など、船内居住環境の整備が大前提となるのは言うまでもありません。特に食事においては、乗組員の国籍に応じた料理に対応するなど特に気を使っています。

― 現在御社の管理船では、どのような船種にFXを導入していますか?

自動車運搬船の管理船、マニラのケープサイズの船にFXサービス開始前の前身となるXpressLink はかなりの割合で入れていますが、まだ全船へのFXのアップグレードが完了していないので、今後の課題です。

― 「Fleet Xpress」の導入を決めた経緯についてお話をきかせてください。

インマルサット社の提供する次世代型衛星通信サービス「Fleet Xpress」の導入については、親会社の川崎汽船とも話し合い、「船内の乗組員の環境をグレードアップさせよう」という考えから導入を決めました。より船舶の運航技術が複雑化する中で、質の高い船員を獲得し続けなければならない。そのためには、船内のインターネット環境の整備など、乗組員に船を選んでもらえて、また乗船中の士気高揚に役立つようなツールになれば、と思っています。弊社の乗組員の多くは自由雇用契約で乗船してくるフィリピン人のため、よりよい待遇で迎えられる船に乗り換えられてしまう可能性もあります。欧州船主の管理船などは、給料面ほか船内設備も整っており、魅力的に見えるケースもありますから、弊社もより「スキルフルな船員確保」のためこうした通信環境の向上を目指し、導入を決めたのです。

― 「Fleet Xpress」 使用上の具体的なサポートについてはいかがでしょうか?

従来使用していたKuバンドからすでにFXに切り替えた船もありますが、FXは常時接続が実現し、トラブルもないようで、ネットの接続状況に関する本船からの問い合わせは全くと言って良いほどありません。まだFXに乗り換えていない船舶の乗組員からは、「通信スピードをもう少し上げられないか」とか、欲を言えばいろいろ出てきますが、FX搭載船に関しては快適に使用してもらっているのではないかと思います。「繋がらない」とうことがないので、クレームもないようです。船陸間の情報交換についても、大容量のメールデータで送受信を行うこともあるため、今後はデータ容量を上げた状態でもより早い通信を実現するためのニーズが出てくるでしょうから、通信環境のさらなる整備は、喫緊の課題でもあると考えています。また、船内の緊急の医療対応についても、役立っています。緊急時、まず第一報は「衛星電話」通報がきますが、その後の具体的な症状報告等のやり取りに、効果があります。事故や怪我を発生した際に、本船から高解像度写真を送ってもらい、我々の管理拠点に近い病院で所見やアドバイスをもらえる点です。将来的には、遠隔医療の実現なども、実施可能になるかもしれません。 ⇒次ページへ

― 御社では、SMS(安全管理システム)に加え、ISO(環境マネジメントシステム)等の認証を取得していますが、その中で「船陸間の衛星通信の確保」がどのように役立っているのでしょうか。

SMSやISOにおけるマネジメント業務におけるドキュメンテーションはすべて、本船から通信で行われていますが、発信元の本船から、現状をリアルタイムで全船に伝えられるメリットがあります。また陸上や他船からも必要な情報を本船に伝えられる点では、「安全管理システム」構築に貢献していると思います。例えばある船で事故を把握した場合、他の管理船すべてで即座にその情報を共有できます。事故があったエンジンと同型の機種を積んでいる船は要注意などと、管理船舶の間で、陸上とほぼ同スピードで情報を入手し、安全対策に取り組むころができるのが利点です。

FXが搭載された「Apollon Highway」

― 導入後の実際の使い勝手について、デッキとエンジンから来たフィードバックについて、お聞かせください。

繋がっていて問題がないのか、本船からクレームはほとんどありません。現在、乗組員の乗上下船(配乗)の業務を担当していますが、一度指示出しをすると、はるか彼方で乗船中の乗組員にもその指示内容が伝わっていることがあり、情報伝達の速さを感じさせられます。昔は船と陸は別のものと考えていましたが、現在は、通信の発達により、船向けのメインストリームの会話がより広いレベルで繋がっていると感じます。

― 船舶管理において、「安全運航」の実現は絶対条件ですが、安全運航を実現するための船陸間における通信の利便性について絶対条件などお聞かせください。

船舶管理会社に置いて、最重要課題となりますが、より良い船員を確保するための条件として、こうしたインフラ整備の確保は重要であると思います。もちろん給料や船内での食事も重要ですし、彼らが乗りたい船種を選べるわけではないですから、こうした通信環境の整備は重要です。

搭載GXアンテナ(Intellinan GX100)

― 御社の船員訓練施設や提携大学等で、通信やITの研修は行われているのでしょうか?

弊社では、川崎汽船と連携して、マニラに摂理したケイライン・マリタイム・アカデミーやブルガリア海技大学校での船員教育に協賛し、優秀な船員を確保し育成いています。最近は、スマホとPC、タブレットを持参で乗船してくる船員がほとんどで、船内でWiFiで繋がるというのは大前提のようです。弊社で行う研修プログラムに通信については、特に設けていませんが、ECDIS研修や電子チャートなど、乗組員が扱うITソリューションが日々変わってきていますので、そうした技術の指導や訓練を行っています。

― インマルサットおよび衛星通信サービスへの将来的希望をお聞かせください。

AI, IoT技術導入が海事産業で進む中、将来的には「航海中も陸上と同じような職場環境で仕事ができるようになる」のが希望です。陸上と画像通信でつながれば、対面式の電話会議もできますしね。そうしたコミュニケーションの密な確保が安全運航の要にもなっていくかと思います。そのため通信環境のさらなる技術進歩には大いに期待をしています。

どうもありがとうございました。

[導入事例その2] 興洋海運株式会社

興洋海運株式会社(東京都港区:関口不二夫社長)は、パームオイルやケミカルなどの輸送を手がける、オーナー兼オペレーターで、同社の所有船舶の多くがインハウスでのフル管理船。現在運航している船舶は北米航路5隻、アジア域内航路8隻、T/Cアウト3隻と幅広く、サードパーティの管理船も含め外航管理船にはすべてにFleet Xpress(一部VSATからのアップグレード待ち)を導入している。同社は1996年からシンガポールに進出し、2007年には同社の船舶管理会社GREEN WAVE SHIPPINGを設立し、船舶管理の拠点をすべて同地に集約した。現在、東京本社は主に船主業務部門、関連会社管理部門として機能させ、躍進を続けている。現在、同社の外航長距離船の全船隻に「Fleet Xpress」が搭載されており、船陸間の安全確保はもとより、乗組員の福利厚生の拡充など、様々な利点があると話す。導入を決めたのは、同社船主業務部門。同社でIT統括管理を行う、猿谷充弘氏のお話をもとに、「Fleet Xpress」導入を巡り、安全運航や船員確保にどのようなメリットを実感できたか伺った。


― 「Fleet Xpress」の導入を決めた経緯についてお話をきかせてください。

(お話を伺った人)興洋海運株式会社 管理部 IT担当部長 猿谷 充弘 氏
(お話を伺った人)興洋海運株式会社 管理部 IT担当部長 猿谷 充弘 氏

Fleet Xpressの前身であるVSATの導入を決めた2013年当時、既に船陸間インターネットの常時接続の必要性が高まっておりました。営業配船面、船舶管理面はもちろんのこと、インターネットの開放による船員福利向上の目的からも定額常時接続のプランを探しておりました。
その後2015年に初めて、導入済みVSATからアップグレードする形でFleet Xpressを導入しました。導入後、VSATに比べスピードがかなり向上したのが確認できたため、全船隻に導入することに決定しました。

― 導入後、海上職、とりわけ船機長からどのようなフィードバックがありましたか?また、使い勝手や稼動状況はいかがでしょうか?

昨今ではコンピュータによる日々の業務が必須となっておりますが、まだまだコンピュータの知識が乏しい船員が多い中、何かコンピュータにトラブルがあると、すぐにリモート接続で解決してくれる環境があるのは非常に助かるというフィードバックを受けております。
また、当社船においてはインターネットの利用を船員への解放しております。これにより、陸上にいるときのように、SNSなどでの家族・友人とのコミュニケーションが取れるのは非常に嬉しいということも、多くの船員が話しています。以前は、クリスマスの時期など長期航海で離れた家族や友人と連絡が密になる時期が集中し、繋がりにくくなる時もありましたが、Fleet Xpressになってからは、かなり改善されたと思います。

― 安全運航確保についてのFleet Xpress の役割は?

まだ実現には至っておりませんが、将来的には本船内の各機器のリアルタイムモニタリングを導入し、本船側だけでなく、陸上からも異常検知やメンテナンスタイミングの把握を行い、より安全な航海を実現できるようにしたいと思っております。FXはその基盤となる技術で、常時接続によるリアルタムデータ転送を実現できる重要なインフラだと認識しています。

― 陸上職(海務・工務)には、どのようなメリットがありますか?

海務面で言えば、SMS (安全運航システム) マニュアルの配布やアップデート、詳しい図や写真が入ったメールサーキュラーなどが容易に行えるようになりました。また、最近ではECDIS搭載により海図が電子化され、アップデートデータがすべてメールやダウンロードで配信されますので、高速な通信環境により、スムーズにデータの配信ができるようになりました。
工務面では、PMS(船体保守整備管理システム)や発注管理システムの導入により利便性が向上しています。また弊社の場合は、導入済み全船隻がInmarsat社提供のシステムなので、一括管理がしやすいというメリットがあります。

― 使用上の最大のメリットは何でしょうか?ほかにもあれば色々教えてください。

インターネット常時接続とスループット、そして定額請求です。Fleet Xpressでは、Kaバンドはもちろん、バックアップラインとして導入しているLバンドも含めて通信容量の制限はありません。これにより色々な可能性が広がります。今までは船はオフィスから遠く切り離された環境でしたが、FXの導入により、まるでオフィスの横にいるような環境が実現できるでしょう。
例えば、船内IT機器のリモートメンテナンスです。まるで隣の席にあるコンピュータをメンテナンスするような感じです。今までかかっていた技師派遣費はほとんどゼロになりました。
また年間で通信費の予算を組んでいる経営側としてはコストの予測が立てやすくなります。突然の高額請求は発生しませんから精神衛生上もよくなりましたね(笑)。
オフィス側からでなく船員からもインターネットの需要は大変大きいものです。
ケミカルタンカーは船員を確保することが難しくなってきておりますので、船員の需要に合わせてインターネットを提供することで、良い船員が当社に根付いてくれればうれしい限りです。
またMLCなどにより、船内でも陸上に近しい生活環境を整えことが必要となってきておりますので、インターネットがますます必要になってくるでしょう。

― 今後、インマルサットに希望は?

技術の進歩により機器やアンテナがもっと小さくなってくれるといいですね。また、今は現在のサービスでも満足ですが、もっと高速で安定したスループットのサービスを安価でご提供いただける時代が来ればよいですね。テクニカル面では本当に問題がなく、トラブル時の修理コストも減りました。より料金を安価にするためには、ユーザー数と金額の兼ね合いになるでしょうが、Fleet Xpress はまさに次世代型通信。「一つ先の時代を行く通信」と考えて、コスト面でも満足しています。

[お問い合わせ] インマルサット株式会社
〒106-0032
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー25階
Tel:03-5545-5184 Email:japan@inmarsat.com Web: www.inmarsat.com

ページ先頭へ